「嫌われる勇気」が今も本屋さんの店頭に置いてある理由
「嫌われる勇気」には、他人の目を気にしがちな我々日本人にとって、大事なマインドを教示してくれる一冊です。
そのため、ベストセラーになり今も本屋さんの店頭に並んでいるのではないでしょうか。
では、果たしてそのマインドとはなんなのでしょうか。
私がこの本を読み終えて、一番心に刺さった部分は「課題の分離」です。
その点に言及する前に、この本の根底をなしているのはアドラー心理学です。
心理学の分野でよく耳にするのはユング、フロイトですが、アルフレッド・アドラーがこのアドラー心理学の提唱者です。
心理学の世界では前述のユング、フロイトと並ぶ「心理学の三大巨頭」と称されています。
称されていますと書いていますが、私も本書を手に取るまでは知りませんでした笑
そのアドラー心理学を青年と哲人の対話形式、そして物語にしたのが本書です。
青年が哲人にアドラー心理学を学んでいくないようなので、読むのに心理学の専門知識なども必要なく、スラスラと読み進めていくことができます。
本の紹介はこの辺にして、前述の「課題の分離」について述べていきたいと思います。
本書の「課題の分離」の項では「勉強をする」という課題があったときの事例で、アドラー心理学を説明していきます。
「勉強する」、この課題はまず、誰の課題なのかを考えていくのがアドラー心理学です。
今、現在私がこのブログを書いて公開するというのも私の課題であると考えていいでしょう。
子供の「勉強する」という課題に、親が勉強しろと強制することは、他者の課題(この場合は子供)の課題に土足で踏み込む行為だと、説明しています。
「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していくことが重要と述べています。これはどういうことかということを職場と想定して考えてみます。
職場では、上司がいますよね、でも上司は言わずもがな他人です。上司に疎まれるか好かれるかは、職場の狭いコミュニティでは、もちろん好かれている方がベターです。
ただし、上司に褒められるのが仕事だと思ってしまうと、逆に疎まれるのが怖くなり、上司のご機嫌ばかり伺うようになってしまいます。
職場での自分の課題はなんでしょうか?仕事をすることですよね?上司があなたの事をどう思っているか、どう思うか、どう扱うかは上司の課題ですので、あなたはそこを全く気にする必要がないのです。
日本の狭い敷地でたくさんの人々が暮らしてきて、村八分という言葉や、コミュニティにそぐわない人は排除する。このような日本的なシステムが、あらゆるところで散見し、目上の者の機嫌を伺ってばかりで疲れてしまった人々に、上記のような内容が、私と同じように刺さっていってベストセラーになったのではないのでしょうか。
そして、現在もこの本と出会って、たくさんの人が上司にへつらわないというマインドを持つ、持ちたいと思っていることでしょう。